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海形将志

Author:海形将志
40代、独身、東京在住。仕事は翻訳業。米留学経験有り。

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KIMONOを着よう! 第6章 茶のこころとは
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軽小説 | 20:38:38
日本昔話的小説: 雪のように白い肌の女 第6章 ゲストリスト
雪山で出会った雪女のような女と約束したこととは。

まずは第1章から第5章までお読みください。

パーティーのドレスコードとして、男はタキシードということだったが、そんなものを亮は持っていなかった。だが、さすがファッション雑誌である。在庫の中にたくさんあって、その中の一つを借りることにした。

秘書もすっかりおめかしして、地味だが、胸のはだけたイブニング・ドレスを着ている。だが、彼女はデスクでアルバムのようなものに目を通している。パーティー会場にこれから向かうというのに、忙しそうな様子だ。亮は声をかけた。
「どうしたんだい? そろそろ行く時間じゃ?」
「うーん、だけど、その前にゲストリストにしっかりと目を通していないと、何度もみているんだけど、招待客全員のことを私は覚えないといけないの。主催者の編集長のそばで、ゲストを迎えるたびに私がささやいておしえないといけないの。今回は初めて招待する客も多いし、大変。顔と名前は全部、覚えていないと」
「でも、時間だよ」
「そうね」と彼女はアルバムを閉じ、亮と一緒にエレベーターへ向かった。

エレベーターの中で、亮は「よかったら、そのゲストリスト見せてくれないかな。僕もRUNWAYの一員だし、ゲストがどんな人だか知っていないといけない」と秘書にいうと、
「いいわよ。ちょっとだけよ。私は車の中でも、見直さないといけないから」といい、亮に渡す。開くと、ゲストと思われる人々の写真が貼られ、その横に名前、経歴などの情報が書き込まれていた。亮は、さらさらとページをめくり眺めた。

1階についてエレベーターを降り、玄関ホールを抜け、待っていた車の後部座席に秘書と一緒に乗り込むと、亮はアルバムを彼女に返した。


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テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

軽小説 | 00:27:33 | Trackback(0) | Comments(1)
日本昔話的小説: 雪のように白い肌の女 第5章 ファッション雑誌
雪山で出会った雪女のような女と約束したこととは。

まずは第1章から第4章をお読みください。

ニューヨーク、アメリカ最大の都市。そこは亮にとって長年の憧れの都市であった。

市の中心部、マンハッタンのセントラルパーク近くに2LDKのアパートを提供された。広さは日本の同基準の倍。家具や家電も揃っている。だが、家賃は300ドルでいいという。会社まで歩いて通える場所である。すぐにでも仕事に取り掛かれるようにと会社が準備していたという。

何はともあれ、到着から数日後に仕事に取り掛かることとなった。

亮の使うオフィスは亮一人が使える個室でエリアス・クラーク社の目玉であるファッション雑誌RUNWAYの翻訳と翻訳文のHPへのアップである。出版されるのとは別の電子版である。日本の読者向けのサイトである。内容には数々のファッション用語がある。それについて詳しく調べながら日本語に訳していく作業だ。全くの新しい分野だが、やる気満々で取り組むことにした。

亮の個室は、その雑誌の制作編集フロア内にあった。ある日、編集長専用個室の前を通り過ぎたときだった。中年の女性編集長が若い女性秘書に対し、早口で次から次へと指示を出すのを聞いた。
「いいわね。カルバンクラインのスカートを10枚用意させて。明日のピア58の確認を、ポニーバッグはジョセリンに届けさせて。バナナリパブリックのドレスは必ずカバーに入れるように。マギーがだめならジャッキーにステージに上がらせるように。それとパトリック・ディマーシエに電話をして今夜の件はキャンセルすると伝えて」
若い女性秘書は、メモを取りながらも追いついておらず、どうしようかと困った表情で自分のデスクに座り、メモを眺めている。編集長に聞き直そうにも、業界では有名な鬼編集長だから聞き直すなど許されることではない。編集長は、彼女の気など知れず部下と会議を始めている。
亮は、その女性秘書に近づきそっと言った。
「カルバンクラインのスカートを10枚用意すること。明日のピア58の確認を、ポニーバッグはジョセリンに届けさせること。バナナリパブリックのドレスは必ずカバーに入れるように。マギーがだめならジャッキーにステージに上がらせるように。それとパトリック・ディマーシエに電話をして今夜の件はキャンセルすると伝えるように」
「わあ、ありがとう。よく覚えていたわね。助かったわ」と秘書は大喜びだ。メモに亮が言った内容を書き加えた。亮も助けることができてうれしかった。

それから数日後、その秘書が亮の部屋に入ってきて、こんなことを言った。
「ねえ、今夜のファッション・イベントのパーティーに参加してみてはいかがかしら。RUNWAYが主催するの。翻訳担当といえども、いろいろと体験した方がいいんじゃないかと思って。有名人にたくさん会えるわよ」
と秘書はにっこり顔で言う。亮は「喜んで」と返事した。実にわくわくとした気分になった。

第6章につづく

テーマ:オリジナル小説 - ジャンル:小説・文学

軽小説 | 21:40:57 | Trackback(0) | Comments(0)
日本昔話的小説: 雪のように白い肌の女 第4章 ニューヨークへ
雪山で出会った雪女のような女と約束したこととは。

まずは第1章から第3章をお読みください。

玄関口には、身につけていたレンタルのスキー板、ブーツ、ストックが二人分置かれていた。民宿の中は静かだった。他の客は出払っている。
「すみませーん」と亮は声を上げた。しばらしくして、民宿の旦那が現れた。
「やあ、もうお帰り、お昼にもなっていないのに」と。今日はチェックアウトの日である。ただ、スキーは夕方までして、民宿にスキー用具を返して、帰途に着く予定だった。荷物は今朝、民宿のフロントに預けた。
「はあ、まあ。ただ、ちょっと訊きたいのですが。僕たちをここに連れてきた人たちがどんな人達だったか分かります?」
という亮の質問に旦那は「はあ」という反応だった。つまり、何も見ていないということが分かる。
「いえ、どうでもいいんです。これからチェックアウトします。スキー用具は玄関口に置いていますから」と亮は言って、チェックアウトの手続きをして、二人は荷物を取り、駅に向かうことにした。

 伊代は駅に向かうバスの中で亮に言った。
「私、雪崩が来てから後どうなったか、全然覚えていない。あなたもそうなんでしょう。でも、誰かが私たち二人を運んで連れてきたはずよ」
「ああ、そのはずだな。僕たちに何も言わず、きっと雪崩で意識を失った後に助け出されて、そのまま運びだされたのだろう。スキー板に民宿の名前が書いてある。それで、そこの客だと思い、運んでいってくれたのだろう」
「レスキュー隊の人かしら? だとしたら、普通、病院に連れて行くわ」
「そうだな、実に不気味だ。親切でしたのか、何か特別な理由があってしたのか」
と言い亮は考えあぐねた。特に財布などが盗られた訳でもない。何事もなかったかのように、ことが済んでしまっている。
 亮は、雪女のことを考えた。あれは夢だったのか。もし夢でないとしたら、自分たちを救い、民宿まで運んでいったのは雪女ということになる。そんなバカな。雪女など存在するのか。お伽話でしかないものの存在を真面目に信じろというのか。だが、あの雪女が言った通り、自分は助かっている。伊代もだ。
 亮は考えあぐねた。
 そして、バスが信濃大町駅に着いた時、一つの決心をした。
 バスを降りた。駅に入った。十分後に急行が発車すると時刻表示が出ている。その後には各駅の電車が来る予定だ。
 亮は伊代の顔を見つめ言った。
「伊代、大事な話がある。僕は急行列車には乗らない。君だけが乗ってくれ」
「え、どうして、何か予定があるの」
「いや、そうじゃないんだ。僕たちはここでお別れだ」
「お別れ、どういうこと? 東京まで一緒の電車に乗ってもいいでしょう」
「そういう意味じゃない。今後、会わないようにしようという意味だ。つまり、付き合いをやめようと言っているんだ」

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軽小説 | 15:51:13 | Trackback(0) | Comments(0)
日本昔話的小説: 雪のように白い肌の女 第3章 コース外滑走
雪山で出会った雪女のような女と約束したこととは。

まずは第1章第2章をお読みください。

 翌朝は予報通り、快晴であった。朝から鹿島槍ヶ岳がゲレンデから眺められた。
「まあ、なんてきれいなの。寒いけど、これを見るとわざわざ来てよかったと思えるわ」
二人は、鹿島槍ヶ岳がじっくり眺められるコースを滑りまくった。
 リフトを乗り降りして何度か同じコースを滑る。何度見ても同じ景色だが、飽きることはない。だが、亮は、これでは飽き足らない気分となった。というのは、通常のコースを外れて滑るコースに行きたかった。通常のコースでは二人きりになれない。雪もふんわりとしているのだ。昨晩から早朝にかけて雪が降ったらしくパウダー状態になっていることは間違いない。
 規定のコース外なので、スキーヤーはこっそりと滑り降りていく。スキーパトロールに見つかったりしたら、リフト券を取り上げられる。また、雪崩などの遭難事故にあって救出された場合、その救助費用は全額自己負担とされてしまう。
 だけど、そこに行きたかった。伊代を連れて行きたかった。ふわふわパウダーの雪の上で、鹿島槍が岳を眺めながらプロポーズ、絶好のシチュエーションだ。
「ねえ、伊代、これからこのスキー場で最高のコースがあるんだけど、来て欲しいんだ」と亮が言う。伊代はついていく。すると辿り着いた場所には、境界線を示すように杭が打たれ、その杭と杭の間にはロープが張られて、そのロープには赤い札が垂れ下がっている。
「ここに入ってはいけないということでしょう」と伊代。心配そうな表情で言う。
「でも、滑るには最高のコースなんだ。整地されていないから、ふわふわの軽い雪の上で存分に滑られる。僕は何度も滑ったことがあるよ。二人だけで誰も他にはいない僕たちだけで滑られる場所なんだ」と亮はにっこりと軽い調子で言う。
「いいわ」と伊代。安心した表情になった。
 二人はロープをくぐり、さっと滑り降りていった。思った通り、ふわふわのパウダースノーだ。まだ誰も踏み込んでいないらしい。二人だけで独占できるゲレンデだ。
「うわあ、最高。全然違うわ」と伊代は大喜びだ。整地されたコースに比べはるかに滑りやすい。滑っていて気持ちがいい。
 だが、二人は、さっとある場所で止まった。真正面に鹿島槍が岳が眺められる場所だ。
鹿島槍

 ゲレンデより近い位置なので迫力は満点である。二人だけでひっそりとした雪の斜面にいる。美しい山。パウダースノーを滑った快感。これは亮が最も願っていたシチュエーションだ。
「どこから見ても綺麗ね、この山」と伊代。感動しながら眺めている。
「ああ、見ての通り、二つの峰で出来ている。高い方の南峰は標高2,889 mで北峰は標高2,842 m。日本百名山の一つさ」
「日本百名山っって?」と伊代。
「あれ、ジャーナリストのくせに知らないのか。北から順に言うと、利尻岳、羅臼岳、斜里岳、阿寒岳、大雪山、トムラウシ山、十勝岳、幌尻岳、後方羊蹄山、岩木山、八甲田山 、八幡平、岩手山、早池峰山、鳥海山、月山、朝日連峰、蔵王山、飯豊連峰、吾妻山 、安達太良山、磐梯山、会津駒ケ岳、那須岳、筑波山、燧ケ岳、至仏山、武尊山、赤城山 、男体山、日光白根山、皇海山、越後駒ケ岳、平ヶ岳、巻機山、苗場山、雨飾山、妙高山、、高妻山、草津白根山、四阿山、浅間山、両神山、甲武信岳、金峰山、瑞牆山、雲取山 奥秩父、大菩薩嶺、丹沢、富士山、天城山、白馬岳、でもってこの鹿島槍ヶ岳、それより南は・・」
「もういいわ。記憶力がいいのは分かっているって」と笑いながら伊代が制止。
「はは、ちょっとした趣味で知ったことさ」
「何度もここに来たことがあるのね」
「ああ、毎年来ている。そして、今年は君を連れてきた。ここまで連れてきたのは君にどうしても話しておきたいことがあってなんだ」と亮。伊代は亮の真剣な眼差しに、答えるように真剣な表情になった。伊代にも分かっていた。亮が何を言おうとしているか。それは伊代もずっと待っていたことでもあった。
 と、その時、バーンという音が鳴った。何の音かと思った。まるで大砲がなったような音だ。何かと思い音の聞こえた方向に二人は顔を向けた。すると、目にしたのは大量の雪がどっと押し寄せてくる光景だ。
 まずいっと思った。亮は伊代に「行くぞ」と大声で言った。二人は滑り出す。だが、雪崩の勢いは凄まじい。何とか追いつくまでに、ゲレンデの方に降りていけないか。このまま降りていけば、途中で緩やかなカーブになり、そこを曲がればゲレンデに辿り着く。雪崩もカーブの辺りで落ち着くはずだ。
 何とか、伊代の降りるスピードに合わせながら、降りていく。だが、背中のすぐそばまでに雪崩が近付く。と、その瞬間、亮は背後から衝撃を感じとった。首の辺りにすっと感じるものが、雪なのか、それとも、何か激しいものが。背中からなので分からないが、亮はそのまま体が動かなくなり、意識を失った。



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テーマ:小説 - ジャンル:小説・文学

軽小説 | 18:04:14 | Trackback(0) | Comments(0)
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