■プロフィール

海形将志

Author:海形将志
40代、独身、東京在住。仕事は翻訳業。米留学経験有り。

■最近の記事
■最近のコメント

■最近のトラックバック

■月別アーカイブ
■カテゴリー
■ブロとも申請フォーム
■ブログ内検索

■RSSフィード
■リンク
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


スポンサー広告 | --:--:--
日本昔話的小説: 雪のように白い肌の女 第4章 ニューヨークへ
雪山で出会った雪女のような女と約束したこととは。

まずは第1章から第3章をお読みください。

玄関口には、身につけていたレンタルのスキー板、ブーツ、ストックが二人分置かれていた。民宿の中は静かだった。他の客は出払っている。
「すみませーん」と亮は声を上げた。しばらしくして、民宿の旦那が現れた。
「やあ、もうお帰り、お昼にもなっていないのに」と。今日はチェックアウトの日である。ただ、スキーは夕方までして、民宿にスキー用具を返して、帰途に着く予定だった。荷物は今朝、民宿のフロントに預けた。
「はあ、まあ。ただ、ちょっと訊きたいのですが。僕たちをここに連れてきた人たちがどんな人達だったか分かります?」
という亮の質問に旦那は「はあ」という反応だった。つまり、何も見ていないということが分かる。
「いえ、どうでもいいんです。これからチェックアウトします。スキー用具は玄関口に置いていますから」と亮は言って、チェックアウトの手続きをして、二人は荷物を取り、駅に向かうことにした。

 伊代は駅に向かうバスの中で亮に言った。
「私、雪崩が来てから後どうなったか、全然覚えていない。あなたもそうなんでしょう。でも、誰かが私たち二人を運んで連れてきたはずよ」
「ああ、そのはずだな。僕たちに何も言わず、きっと雪崩で意識を失った後に助け出されて、そのまま運びだされたのだろう。スキー板に民宿の名前が書いてある。それで、そこの客だと思い、運んでいってくれたのだろう」
「レスキュー隊の人かしら? だとしたら、普通、病院に連れて行くわ」
「そうだな、実に不気味だ。親切でしたのか、何か特別な理由があってしたのか」
と言い亮は考えあぐねた。特に財布などが盗られた訳でもない。何事もなかったかのように、ことが済んでしまっている。
 亮は、雪女のことを考えた。あれは夢だったのか。もし夢でないとしたら、自分たちを救い、民宿まで運んでいったのは雪女ということになる。そんなバカな。雪女など存在するのか。お伽話でしかないものの存在を真面目に信じろというのか。だが、あの雪女が言った通り、自分は助かっている。伊代もだ。
 亮は考えあぐねた。
 そして、バスが信濃大町駅に着いた時、一つの決心をした。
 バスを降りた。駅に入った。十分後に急行が発車すると時刻表示が出ている。その後には各駅の電車が来る予定だ。
 亮は伊代の顔を見つめ言った。
「伊代、大事な話がある。僕は急行列車には乗らない。君だけが乗ってくれ」
「え、どうして、何か予定があるの」
「いや、そうじゃないんだ。僕たちはここでお別れだ」
「お別れ、どういうこと? 東京まで一緒の電車に乗ってもいいでしょう」
「そういう意味じゃない。今後、会わないようにしようという意味だ。つまり、付き合いをやめようと言っているんだ」

続きを読む >>
スポンサーサイト
軽小説 | 15:51:13 | Trackback(0) | Comments(0)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。