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海形将志

Author:海形将志
40代、独身、東京在住。仕事は翻訳業。米留学経験有り。

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日本昔話的小説: 雪のように白い肌の女 第5章 ファッション雑誌
雪山で出会った雪女のような女と約束したこととは。

まずは第1章から第4章をお読みください。

ニューヨーク、アメリカ最大の都市。そこは亮にとって長年の憧れの都市であった。

市の中心部、マンハッタンのセントラルパーク近くに2LDKのアパートを提供された。広さは日本の同基準の倍。家具や家電も揃っている。だが、家賃は300ドルでいいという。会社まで歩いて通える場所である。すぐにでも仕事に取り掛かれるようにと会社が準備していたという。

何はともあれ、到着から数日後に仕事に取り掛かることとなった。

亮の使うオフィスは亮一人が使える個室でエリアス・クラーク社の目玉であるファッション雑誌RUNWAYの翻訳と翻訳文のHPへのアップである。出版されるのとは別の電子版である。日本の読者向けのサイトである。内容には数々のファッション用語がある。それについて詳しく調べながら日本語に訳していく作業だ。全くの新しい分野だが、やる気満々で取り組むことにした。

亮の個室は、その雑誌の制作編集フロア内にあった。ある日、編集長専用個室の前を通り過ぎたときだった。中年の女性編集長が若い女性秘書に対し、早口で次から次へと指示を出すのを聞いた。
「いいわね。カルバンクラインのスカートを10枚用意させて。明日のピア58の確認を、ポニーバッグはジョセリンに届けさせて。バナナリパブリックのドレスは必ずカバーに入れるように。マギーがだめならジャッキーにステージに上がらせるように。それとパトリック・ディマーシエに電話をして今夜の件はキャンセルすると伝えて」
若い女性秘書は、メモを取りながらも追いついておらず、どうしようかと困った表情で自分のデスクに座り、メモを眺めている。編集長に聞き直そうにも、業界では有名な鬼編集長だから聞き直すなど許されることではない。編集長は、彼女の気など知れず部下と会議を始めている。
亮は、その女性秘書に近づきそっと言った。
「カルバンクラインのスカートを10枚用意すること。明日のピア58の確認を、ポニーバッグはジョセリンに届けさせること。バナナリパブリックのドレスは必ずカバーに入れるように。マギーがだめならジャッキーにステージに上がらせるように。それとパトリック・ディマーシエに電話をして今夜の件はキャンセルすると伝えるように」
「わあ、ありがとう。よく覚えていたわね。助かったわ」と秘書は大喜びだ。メモに亮が言った内容を書き加えた。亮も助けることができてうれしかった。

それから数日後、その秘書が亮の部屋に入ってきて、こんなことを言った。
「ねえ、今夜のファッション・イベントのパーティーに参加してみてはいかがかしら。RUNWAYが主催するの。翻訳担当といえども、いろいろと体験した方がいいんじゃないかと思って。有名人にたくさん会えるわよ」
と秘書はにっこり顔で言う。亮は「喜んで」と返事した。実にわくわくとした気分になった。

第6章につづく
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テーマ:オリジナル小説 - ジャンル:小説・文学

軽小説 | 21:40:57 | Trackback(0) | Comments(0)
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