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海形将志

Author:海形将志
40代、独身、東京在住。仕事は翻訳業。米留学経験有り。

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インペリアル・ホテル 第7章 祖父と対面する
タイムスリップ・ファンタジー、真実の愛を求めて現代から大正時代へ。

まずは序章から第6章をお読み下さい。


「敬太郎、おい、話しがある」
と博士。敬介が、玄関から靴を脱いで土間から上がってきたところだ。黒い制服を身につけている。敬太郎の祖父が目の前に立っている。
「何ですか、父さん」
 祖父は、曾祖父の憤った表情にとても驚いている。何事が起こったのか、事情が分からないだけに圧倒されている様子だ。
「いやな、ああ」
と博士は、話しの切り出し方に困っているようだ。博士は、敬太郎が手に持っている書物を眺めている。物理学の本だ。新書らしい。博士は、それが敬太郎が小遣いで買ったものであるとすぐに分かった。
「いやな、今日から大事なお客様が、うちに泊まることになってな」
と言いながら、博士は敬介の方に顔を向け
「敬介君でな。お前にとっては従兄にあたる人だ」
 敬介は、どきっとした。突然、自己紹介されたのだ。それも従兄としてである。博士も突拍子もなく、変な嘘を思いつくなと感銘を受けたが、まんざら嘘でもない。親戚であることには違いない。実際、従兄よりも関係は近い。
「あ、ああ、君が敬太郎君だね。どうも、よろしく。今日から、泊めさせて貰うんだ」
と敬介も博士に同調するように対応した。実に奇妙な感覚を覚えた。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
と敬太郎は、さっきまでの緊張から表情を緩めおじぎをしながら言った。
 年齢は一八歳のみずみずしい表情。これが、記憶にはほとんどない祖父の若き日の姿。自分より半分も若い年齢の祖父。
「後でゆっくり話しましょう。僕は、面白い物理の本を書店で見つけてきましたから、それをじっくり読んできます。夕食時にでも話しをしましょう」
 敬太郎は、自分の部屋へと階段を上って行った。
 敬太郎と博士は、書斎に戻った。
「ということで、敬太郎の従兄ということで頼むぞ」
「はい、分かりました。今後ともお世話になります。ところで、敬太郎さんが設計士になることはとめないのですか」
と敬介は興味深げに訊いた。
「いやあ、さっき言っただろう。わしは未来のことなど知ってはならんのじゃ」
 博士は、そう言うと、ほっと溜息をついた。

第8章へつづく。
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テーマ:ファンタジー小説 - ジャンル:小説・文学

帝国ホテル | 21:53:45 | Trackback(0) | Comments(0)
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