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海形将志

Author:海形将志
40代、独身、東京在住。仕事は翻訳業。米留学経験有り。

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原発問題小説: 記憶 第2章 トレジャーハンター
原発に関する深刻な問題を問いかける。軽小説スタイルで。

まずは第1章からお読みください。

インディは野心家の考古学者であった。これまでに数々の遺跡発掘を成し遂げ考古学者として世界的に名をあげている男だが、それは名誉のためだけではなかった。彼は、考古学者であると同時にトレジャーハンターでもあることで知られているのだ。古文書を元に場所を突き止め、地中深く穴を掘り、そこから過去の権力者が埋蔵した財宝を探し取り出す。それを博物館に研究用に寄付することがあれば、発掘者として財宝を保有し、リッチなコレクターに売っては大金を稼ぐのだ。稼いでは、その金を元手に、さらに発掘をし新たな財宝を探し当てる。

リヒャルトは、これまで何度も、インディの発掘作業の手伝いをしてきた。当然、それなりの報酬もいただいて、とても嬉しい思いをさせてもらっている。だから、少々忙しくとも断ることはなかった。他より優先させても、それだけのメリットは十分過ぎるほど享受できる。休暇などとるのはもったいない。

飛行機とバス、ジープを乗り継ぎ、数日後、そのジャングルに着いた。そこでリヒャルトと数カ月ぶりに再会。相変わらずの自信満々の表情であった。
「リヒャルト、これは大獲りものだぞ。おそらく考古学史上、最大の発見だといっていい。この辺で、ダム工事のボーリング調査をするため掘削したら、こんな入口が見つかったんだ。何とかドアをこじ開けてみたら、地下に通ずる道があって、そのうえ、地下深くに延びる階段とエレベーターらしき空洞があったんだ」
「エレベーターらしき? おい、でもこれって、過去の遺跡だろう。そんなものがどうしてだ?」
「それをこれから探ろうっていうのだよ。俺の分析では、この当たりの地形からして、ここを入り口として、地中深く穴を掘れたのは1万年ぐらい前だと推定される。お前も地質学者だから分かるだろう」
「1万年前?」
1万年前といえば、エジプトのピラミッドやアラブのメソポタミア文明よりも古い。そんな時代に誰が。それほどの科学技術を持った民がいたとなると、それは、明らかに考古学上の大発見になること間違いない。


考古学ではオーパーツという言葉がある。それらが発見された場所や時代とはまったくそぐわないと考えられる物品を指す。英語の「OOPARTS」からきた語で「out-of-place artifacts」つまり「場違いな工芸品」という意味。

エレベーターらしき空洞があるとなると、まさにそれだ。リヒャルトはインディに案内され、その空洞の入り口まで行った。中は真っ暗だが、何かを吊り下げるためのフックのような器具が天井に打ちつけられているのが灯りで照らしてみると見えた。
「音波探知機を使って底部までの長さを測ったら、500メートルぐらいあると分かった」とインディ。
大きさは、5メートル四方ぐらいあり、エレベーターの入り口だとすると高さも、そのくらいあり、現代の掘削工事の作業用エレベーターに匹敵する。エレベーターをどうやって引き揚げたり下ろしていたのか、それも500メートルという長さを。人力では到底無理だ。電気を使っていたとなると、かなり発達した文明であるといえる。電気は元より地下エレベーターの建設をするための地質調査ができるだけの技術を持ち合わせていたことになる。
だが、我々が下を降りるには隣りで見つかった階段を使うことになった。人が2、3人が横に並んで降りられるほどの大きさだ。階段の段差は、現代の我々でも普通に降りられるほどの高さだから、この階段をつくり使った人は我々と同じぐらいの体格だったと推定される。
電灯はなく真っ暗だが、電灯を備えていたような規則正しい穴ぼこが見受けられる。
「さあ、これから東京のスカイツリーに匹敵する階段を降りることになるぞ。体の準備はいいか」とインディはリヒャルトと現地の体格のよさそうなクルーたちに声をかけた。人が降りるだけでなく、様々な測定機器や発掘作業用の用具なども下すことになる。かなりの体力を使うことになる。
だが、皆、心がわくわくしていて、疲れることなど恐れるに足らない気分だ。考古学史上最大の発見。人類最古の遺跡に出くわすのだ。リヒャルトは、ヨーロッパで使った作業用の機材をそのまま、ここに持ち込んでいた。

一行は、電灯を持ちながら、地下深くらせん階段を下りていく。

数時間後、体がへとへとになったものの、十分な余力を残している状態で最底部に着いた。そこから階段は続かず、広いフロアになっていた。そこで、空間全体を照らせるほどの大きな電灯を設置して中を見渡す。高さと四方の幅が10メートルぐらいある地下の空間に来た。石畳の床と何もない空洞のようだ。
何もないが、壁とこの当たりの地質を調査することにした。壁を伝う。すると、ある一面に文字か記号のようなものがずらりと刻まれているのが見えた。その壁面にさらにライトを照らす。
一同は仰天した。それはまるで巨大なロゼッタストーンのような壁面であった。

第3章へつづく
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テーマ:小説 - ジャンル:小説・文学

原発 | 17:22:03 | Trackback(0) | Comments(0)
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